新成長戦略とサポイン
九州経済の最前線情報について、施策情報を交えて紹介するコラムですが、第一回は、九州経済が、日本経済の中で、いかに最前線であるかという話です。昨年末、政府が公表した「新成長戦略」をみても、九州が、日本をリードする可能性が大きい地域だというのがわかります。
輝きある日本がやってくる?
~輝きある日本へ~、昨年末30日に政府から発表された新成長戦略(基本方針)の副題です。今回は、基本方針のみで、今後、各界の声を聴取し、需要や雇用効果などの観点から、目標と施策の深掘りや新たな施策の追加を行い、6月頃に最終とりまとめが発表されることになっています。その概要を少しだけ紹介すると……
まず、日本は、二つの強みを活かすこと。二つとは、環境・エネルギーと健康(医療・介護)です。このうち、環境・エネルギーは、住宅・オフィス等のゼロエミッション化、蓄電池や次世代自動車等の革新的技術開発の前倒しが、また、健康は、医療・介護・健康関連産業の振興や、日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発の推進などが例示されています。
この二つの強みを活かしつつ、アジアと地域を成長のフロンティアと位置づけて取り組めば、成長の可能性が更に高まるというわけです。つまり、拡大するアジア市場に対して、日本のコンテンツ、デザイン、ファッション、料理、伝統文化、メディア芸術等の「クリエイティブ産業」を発信し、日本のブランド力を向上させるのです。また、地域という視点では、観光を地域経済の活性化の切り札とするとともに、農林水産業等の地域資源を活用して新たな産業を創出していくこと、とりわけ、「食」への取り組み、将来ビジョンの策定が重要とされています。更には、ストック重視の住宅政策への転換も指摘されています。更に、これらの成長を支えるプラットフォームとして、科学・技術と雇用・人材の重要性が認識されています。前者は、IT技術等の活用による各種のイノベーションを創出する環境整備が、後者は、子どもの笑顔があふれる国・日本を目指すことなどが言及されています。
新成長戦略の内容をもっと知りたい方は→http://www.kantei.go.jp/jp/sinseichousenryaku/
新成長戦略は九州経済のために!!
輝きある日本のためには、環境・エネルギー、健康(医療・介護)、アジア、地域(観光、ブランド、住宅)、科学・技術、雇用・人材の6つがキーワードなわけです。これらのキーワードは、全国どこでも重要だと考えられますが、エコタウン、太陽光発電、水素エネルギー等、環境エネルギーへの取り組みが活発で、全国以上に高齢化が進み、医療・介護のニーズが高く、アジアとの交流や観光への取り組みを戦略的に進めていこうとする九州の方向性に、まさに合致したものだと言えます。とりわけ、農林水産業分野や「食」への新たな取り組みなどは、九州経済の活性化にとって欠かすことのできないものです。
今後、これらの流れに沿った詳細とりまとめと具体的な政策・施策が検討されていくはずなので、九州経済にとって、新成長戦略はチャンスの宝庫であり、今後の動向から目が離せません。
それぞれの新成長戦略
日本の新成長戦略の今後の検討の推移にあわせて、九州経済産業局においても、九州地域の新成長戦略の検討を進めることになると思いますし、各県・自治体においても、同様の取り組みの検討が始まると思います。ただ、今、必要なのは、それぞれの団体ごと、企業ごと、そして、個人の新成長政略の策定であると考えます。それぞれが、それぞれの責任において。それぞれの戦略を検討、策定して、それを実行していくことこそ、この厳しい経済環境下において必要なわけです。サポインってなぁに?
新成長戦略を先取りする形で、また、ものづくり企業の成長戦略の策定、実行をサポートするものとして、22年度の概算要求において、21年度に比較して大幅拡充された中小企業施策に、「戦略的基盤技術高度化支援事業」(略称でサポイン)があります。これは、我が国製造業の国際競争力の強化と新たな事業の創出を目指し、特定ものづくり基盤技術の高度化に資する中小企業の研究開発から試作段階まで含む取組を支援するものです。
対象となる特定ものづくり基盤技術は、組込みソフトウエア、金型、電子部品・デバイスの実装、プラスチック成形加工、粉末冶金、溶射、鍛造、動力伝達、部材の結合、鋳造、金属プレス加工、位置決め、切削加工、織染加工、高機能化学合成、熱処理、溶接、めっき、発酵、真空の維持の20分野です。2月から詳しい内容の説明が開始され、本年度中には公募される予定です。ものづくり企業の方々には、是非、ご検討頂きたい施策です。
【対象事業】
「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく認定を受けた特定研究開発等計画を基本とした研究開発が対象
【実施者】
認定を受けた中小企業者を含む共同体
(中小企業、ユーザー企業、研究開発機関等で構成)
【研究開発期間・規模】
2年度若しくは3年度、初年度4,500万円以下の委託事業
なお、「戦略的基盤技術高度化支援事業」(サポイン)の詳細は、以下のURLをご覧下さい。
http://www.kyushu.meti.go.jp/seisaku/gijyutu/2010_yosan_gijyutu/22fy_sapoin.pdf















