人とペットが社会で「共生」できるように〔有限会社キー・ポイント・プラン  谷川康夫さん・谷川恵利さん〕

人とペットが社会で「共生」できるように〔有限会社キー・ポイント・プラン 谷川康夫さん・谷川恵利さん〕

2,410万匹と1,800万人、この数字は何だと思いますか。前者は犬と猫を合わせたペットの飼育数(ペットフード工業会調査、2008年)、後者は14歳以下の子供の人口です。現在は子供の数より多いペットが家庭で飼われているのです。ある意味ペットは、社会の中で人の生活のパートナ―になりつつあるのかもしれません。ペット関連の産業も多く見受けられるようになりました。ここに、ペットとの社会の中での「共生」をキーワードにペット関連事業を多岐に渡り、展開されている(有)キー・ポイント・プランの谷川社長ご夫妻をご紹介します。

―まずは、御社の事業のねらいや内容、商品などを教えていただけますか。

谷川恵利氏:会社を起こしたのは、平成17年の11月です。事業は「飼い主さんと愛犬とのライフスタイルを全てにおいてサポートしていく」ということで、住む所から、そしてしつけ、生活のスタイル、それに健康、まぁ食事ですね、飼い主さんの悩みを何でも解決出来る様にサポートしていきたいという会社です。

住まいを提供するに当たってハード面は建物を建てれば良いわけですから難しいことは無いですけど、やはりひとつの建物の中でワンちゃんと一緒に共生していくというのは、なかなか難しい状況になっています。
建物の共用部で汚したりお留守番の時にワンワンと吠えてずっと泣き止まなかったり、エレベーターの中でオシッコをして臭いが充満して、皆さんがお困りになられるという事が非常に多いんです。それは飼い主さんのマナーなんですけれども、人の事は棚に上げてなかなか自分の事はできない方が多い。そんなことで、それぞれが個々に思っているんだけども、自分の事は棚に上げてるから、なかなかマナーがよろしくない状況です。

これをやはり誰かが、中に入って伝えていく「こういう風にすれば、お互い気分が良いですよ」と、「こういう風にすれば、ワンちゃんとのご自分の生活も楽しくなりますよ」という事を伝えていく作業がとても重要なんだという事が見えてきました。私達はペット共生型マンションだけではなくて、ペットとのライフスタイルをちゃんと見守っていくという事をやっていく不動産屋になろうと思ったんです。

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谷川 康夫氏:元々、私は建築屋出身ですから、建物を建てるという事についてはエキスパートだと思っています。自費で私たち所有の建物を建てるっていうのは合間でやってる事で、通常では僕らの仕事は私たちのお客さんである地主さんにそういう建物のお世話をさせて頂くというのが主の事業ですね。

―通常は、お客様から依頼があって、依頼主に対して建物のプロデュースをされるお仕事でいらっしゃるのですね。
谷川 康夫氏:ペット共生型の賃貸マンションをお勧めしています。

―最初からペット共生型マンションをおやりになられているのですか。
谷川 康夫氏:はい、そうです。最初からそこに特化して行こうという事で。

―ペット共生型マンションをおやりになろうと思われたきっかけは何ですか
谷川 康夫氏:私の場合は、現在の起業をする前から同じ仕事の延長上なんですよ。僕は起業前はゼネコンに勤めてました。営業をやっていましたので、同じ形で仕事がずーっと流れてきています。勤めていた時は、通常の賃貸マンションばかりやっていました。
だけどこれだけの数を建てたら、何かに特化していかないと賃貸事業はやっていけないぞという気持ちは持っていたんです。

―いずれ賃貸マンション市場は飽和するということですね。
谷川 康夫氏:そうです。自分がオーナーになった時に困るのではないかと思っていました。地主さんも困る方がたくさん出てくるのではないかと思うんです。それで色んな事考えた結果。これからはペットと一緒に住めるマンションがあったら良いのではないかと考えが至りました。

でも当時は「バカか」と言われましたよ。「犬とか猫を入れるの?」という反応で・・。今でこそ当たり前になりましたが、当時は「そんな大丈夫?」って言われました。構想時期からだと平成15年から、初めてペット共生型マンションが完成したのは平成18年完成でしたが、その頃には「マンションが汚れるよ」とか言われました。ペット可のマンションについては、福岡で一番手か、二番手に、うちが着手しているはずです。はっきりと「ペット共生型マンション」とうたったのは、弊社が最初だと思います。

―なぜペットに目を付けられたのですか。
谷川 康夫氏:これからさらに核家族化がもっと進むだろうと。でもちょっと待てよ、その前にペットも増えてるなっていう感じを持っていたんです。

―通常ですと、「ペット共生」ではなく、「ペット可」マンションですよね。
谷川 恵利氏:はい、「ペット可」なんです。「ペット可」の「ペットを飼ってる人も良いですよ」という物件とは異なります。当社の物件は、「ペットを飼っている人しか入れませんよ」ということです。
 
―繰り返しになりますが、キー・ポイント・プランさん自体の基本のお仕事としては、施主様、すなわち、お客様から「ここに土地があるけど、何か有効活用方法はないか」という問い合わせに対して、ペット共生型の賃貸マンションを提案されて、企画、設計、施工をされてあるんですね。
谷川 恵利氏:そうですね。設計士さんや建築屋さんを選ばせていただいて、トータルとして私達が全て見ていくという仕事です。プランニングは私達がやります。

―ご自分の所でオーナーをされている、ご自分で持たれているマンションは有りますか。
谷川 康夫氏:有りますよ。私達の持ち物は3つあります。
谷川 恵利氏:はい。あとは、お客様の建物をお預かりして、全てペット共生型のマンションです。

―ちなみに、もしよろしければ、今、オーナーとして3棟お持ちで、かつ、お客様に対して企画、施工、管理等をおやりになっているのは、大体何棟ぐらいですか。
谷川 康夫氏:今、5棟目ですね。

(写真:同社のペット共生型マンション「セレッソフローラ賃貸マンション」福岡市中央区輝国)
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―話は変わりますが、谷川 恵利氏が申請された経営革新計画の進捗状況はいかがですか。
谷川 恵利氏:流れとしては、経営革新計画の本筋を続行中です。ただ進めていく中で、その形や方法が変わってきています。計画に挙げた事業分野のうち、元々の会社に残してたものと、別会社に移したものがあります。しかし経営の目的は経営革新を提出した時と同じです。 

―当初の計画では、別会社化を考えておられなかった。
谷川 恵利氏:はい、そうです。

―経営革新計画のねらいは、「ペット共生型マンション」の拡大計画だったんですか。マンションの建物自体の拡大ですか。
谷川 恵利氏:ねらいは、建物に付加価値を付ける事ですね。それをペット産業の方にも拡げていきたいっていう風に思っています。テーマは、「ペットとの豊かな暮らしをサポートするペットサービスへの進出」です。

―それは、ペット・フードやペット・ホテルまで事業まで含んだ計画ですか。
谷川 恵利氏:そうですね。なんせ新しい事業分野に進んで行くという事で、知らない事も多々あります。それを解決していく中で、事業の枝葉になっている事業を別会社に分けてしまわないといけないと言う状況になりました。

―そういった経緯で別の会社で運営されるようになったということですね。
谷川 恵利氏:そうしなければいけない様な状況になってきています。例えば、犬のトレーナーの養成学校を作る。そうなると認定校として協会とのお付き合いが必要なんですが、今の不動産会社ではなかなか難しいところもあります。やはり規制や縛りがあって、対応していくために会社を分けなければならない状況もあります。
 
―改めて貴社の事業内容を、全容を話していただけますか。
谷川 恵利氏:事業分野は「ペット共生型マンションという不動産部門」、「ドッグフード、その製造、販売」をしています。この不動産とドッグフードが、キー・ポイント・プランの事業分野です。一方で会社を分けた分野は「ドッグトレーニング」と「犬の保育園」です。保育園とは、犬の月極めのお預かりです。ドッグトレーニングは犬のしつけ、あとは、犬のホテルです。あとグッズ販売のお店を、トレーニング施設で営業しています。不動産とドッグフード以外を(株)ドッグストーリーという会社に分けて、「バウワウ」という名のお店で営業しています。

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ドッグフードは、将来的にメーカーや卸売もやっていきたいと思っています。今の所、ドッグフードを始めて2年半なんですけれども、今年から第2段階として卸販売をやっていこうかと思っています。

―元々の不動産会社にドッグフード部門だけ残されたのはなぜですか?
谷川 恵利氏:メーカーはメーカー、販売店は販売店。作り手と売り手に分けました。

―ペット関連の様々な事業を展開されていますが、従業員何名で運営されていますか。
谷川 恵利氏:キー・ポイント・プランのペット共生型マンション事業としては、私たち二人です。

―企画・実行を、ご夫婦お二人で話されながら事業をされているのですね。
谷川 恵利氏:そうですね。キー・ポイント・プランのもうひとつの分野、ペット・フード事業に関しては、パートさんとか4名で行なっています。

―別会社の㈱ドッグストーリーさんはいかがでしょうか?
谷川 康夫氏:会長として足を入れています。
谷川 恵利氏:出資もしています。ドッグストーリーの方は、トレーナーが全部で10人くらい居ます。正社員6人とパートが4人です。この分野はドッグトレーナーの力が要りますので、私達にはなかなか出来ない事をやってもらっています。

―今までペット関連事業をされてて苦労されたことはありますか。
谷川 恵利氏:苦労・・・、苦労って感じた事がないですね・・・・・・。

―事業が上手くいってるからですか。
谷川 恵利氏:上手くいってる訳じゃないですけども、まだ、到達してない。自分達が思い描く物には、まだ。途中経過ですから。

―苦労を苦労と思わない状況ですか。
谷川 康夫氏:そうですね。「これ、やろうか」っていうんだから、苦労とは思いませんけどね。

―逆に嬉しかったことなどありますか。
谷川 恵利氏:ここに住まわれている方は特にですが、私たちが全て対応します。例えば、自分が忙しい時に、代わりに私達がワンちゃんのお世話もさせてもらえる、しつけトレーニングもさせてもらっているので、「安心して生活できる」というお声を頂けるんですね。「もう、他に行けんよね」と頂くときには嬉しさを感じます。

―ペットに、細かい所まで目が届いている安心感があるのでしょうか。
谷川 恵利氏:そうですね。安心感ですね。
谷川 康夫氏:住んである方が皆ペットを持っているという同じ条件ですので、それぞれで遠慮がないんですね。今まで肩身の狭い思いをしてペットを飼ってたという面がたくさんあったんだけど、うちに来られてからは、そういうのが無くなった。そこに非常に喜んでおられます。やはり気が楽なんでしょうね。

―御社の売上はいかがですか。
谷川 恵利氏:ペットフードに関しては、私達の中では、まだ、テスト販売中っていう感覚です。様々なお客様の意見を聞く為に、2年間、テスト販売という気持ちでやっています。だから製造もその分だけなので、たいした数ではないんですよ。今年からだと思います。また比率も不動産の売上高が全然違います。

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-今後の展開として商品価値訴求の高付加価値店ルートか、価格訴求の量販店ルートか・・。どのような販路をお考えですか?

谷川 康夫氏:私としては、どちらかというと代理店を使っても良いんですけど、出来れば自社のブランドだけで直販していきたいなという気持ちが非常に強いんですけども。
谷川 恵利氏:付加価値を出来るだけ軽減しない、要するに、価格訴求にしない形で販売を、販売ルートを探して生きたいという風に思ってます。

―直販であれば、商品だけではなくて、それに付随するサービスにまで付加価値を付けたら良いのではないでしょうか。
谷川 恵利氏:そこで、「ペット食育指導士」という資格も取得中なんです。お客様に色んなアドバイスやカウンセリングが出来る様にと思いまして。今は獣医学と栄養学を学んでいる所です。
昨年末に福岡市にいらっしゃる1000人の飼い主さんに、1000人アンケートというのを取りました。散歩している飼い主さんを捕まえてアンケートをしたんですけど、かなり良いデータが取れました。それを元に販路拡大をして行こうかと考えています。なかなか知らなかった事が少しづつ浮き彫りになって、「飼い主さんの心情って、そういう所にあるんだ」という事もあったので、参考にしながらこれからドッグフードの方に力を注いでいきます。今の所、2年間でリピート率は非常に高いんですよ。購入を止められた方が、多分1割もないくらいだと思います。口コミだけなんですけど、少しずつ、売上げが伸びています。
  
―ペット賃貸マンション事業で、競合されている不動産屋さんとの差別化について、何か考えられていますか。
谷川 恵利氏:不動産屋さんがしない事をしようと思ったので。不動産屋さんは、今私たちがやっているような事はしませんので・・・。
谷川 康夫氏:ペットに限らず、いわゆる人がやらないこと、それをやっていこうかなぁと思っています。ただ単にマンションを建てるだけではなく、入居される方の趣味とか、嗜好とかに合わせて行ければという考え方ですね。

―御社のペット共生マンションは、他のペット可マンションとの違いはどんなところですか。
谷川 恵利氏:建物に関して、ハード面に関しては、足洗い場やドッグラン、ドッグフェンスが有るなどありますが、そう他の所と大差は無いんです。やろうと思えば、他社でも出来るし、そんなに重要度が有る物でもないんですね。やはり、一番の違いはワンちゃんと生活する上で安心して暮らせること。周りでペットを飼ってない人が居たりとかすると、やはり気を使ってしまう。もしくは、しつけがなされてない、非常にマナーの悪いワンちゃんが居ると、入居者も良い思いをしない。

けれども、ここは私達が、入居者にワンちゃんのしつけの重要性を伝えていますので、いつ来られてもマンションは綺麗なんですね。それは恐らく意識の中で「このマンションでは汚くは出来ない」と入居者の方が思われてるからだと思います。私達から「やってはいけません」とか言っていないんです。心地よく住む為には「それぞれマナーを守りましょう」と言うよりも、みなさんに「気遣いは大事ですね」という話をするぐらいで、個々の入居者に対し、その話をさせてもらった事は無いんですね。

―お聞きした話の中での特徴は、全居住者がペットを飼ってらっしゃる。だから、お互いに遠慮が無いというのがひとつ。もうひとつは、ペットのしつけが悪い場合は、御社として、しつけまでやられてるんで、何気なく、そういうお客さんにその話をされて、ワンちゃんのしつけも良くなっていくんですね。
谷川 恵利氏:そうですね。「本格的に自分ではしつけが出来ないのでして頂けませんか」という事で、預かってるワンちゃんもたくさん居ますし、そこでうちのトレーナーが、トレーニングを週2日~3日やらせてもらってます。送迎も、ワンちゃんをうちから迎えにいって、また、送っていってという事をしているので、安心して生活できるんですね。

谷川 康夫氏:マンションの管理会社自体が、別会社で「ドッグストーリー」というワンちゃんのための会社を持っているという事なんですね。ペットの事については非常に詳しいという感覚をお客様に持って頂いているのか、何でも相談がきています。一度、「犬が、ひきつけを起こして、死にかかってます。」っていう事で、夜中に電話がきました。すぐに、動物クリニックを手配して良くなりました。もしあともう少し遅れてたら・・と思うことがあります。
      
―「ペット共生」という名前自体は、入居者全員がペットを持ってるって意味を表したかったのですか。「ペット可」という名前じゃないのは、何か思いがあるんでしょうね。
谷川 恵利氏:やっぱり、「共生」ということばを使いたかったんです。「共生」、「共に生きる」という意味で、犬も人も相互に、共に社会の中で生活していくために共生していこうということです。
谷川 康夫氏:それだけ、ペットが家庭の中に入り込んで、置かれていた地位が上がったっていう事でしょうね。

―私の記憶によると、賃貸で、ペットが飼えるマンションは、以前はあまり無かったですよね。
谷川 恵利氏:ほとんど無いですね。今は、建っているマンションは、ほとんどが「ペット可」です。ペットを飼っても良いよってマンションです。ペットを飼わなくても良いよっていうマンションです。

―そこで、イザコザが起きてしまうんですか。
谷川 恵利氏:そうなんです。そこで、色々と問題があるんですよ。私は、「全国賃貸住宅新聞」に、ずっと寄稿をしていますが、「ペット可」では無く、これからは家族の一員として「共生」をしなければ、社会において生きていけないんのではなかろうかと思います。やはり、これから「共生」ということばの元に、私達が社会を作っていかなくちゃと思っています。

―ペットに対する考え方は変わってきてるし、ペット用の施設なども増えてきてますね。
谷川 恵利氏:そうですね。ただ、やはり、マナーが有って共生が出来ると思うんですよね。人間でも、社会にはマナーが有りますよね。ただ、犬と社会の中では、共生が図られてるかと言うと、犬とその家族の中では出来ているけれど、社会の中では出来ていません。家族と言う核の中だけです。これを社会の中で普通に犬が居れる社会にしていかないとと思ってます。
  
―再び、経営革新の話をさせてください。経営革新は谷川 恵利氏が申請なさったわけですが、元々ペット共生型マンション事業は既に事業化されてる中で、経営革新を考えられたきっかけはどんなことですか。
谷川 恵利氏:商工会議所さんには、勉強会に行ったり、交流会などで、お付き合いをしている中で「経営革新というのがありますよ」と教えてもらったんです。その頃はペット共生型マンションを建てて、「建物は出来たけど、それに付加価値を付けないといけないね」とずっと考えていて、その付加価値を形にしようと思ったのが経営革新計画です。人と違う形、不動産業の中で差別化をする為に、この経営革新計画によって新たな事業に着手していこうと思ったんです。

谷川 康夫氏:ソフト面での付加価値を欲しかったっていうのもあります。

谷川 恵利氏:こういうきっかけがないと、事業の流れを大きく変えられないというのもあります。それに形をアピールしたいっていうのも有りましたね。「私達は、こういう新しい事にチャレンジして、こういう風に認可を受けたんですよ」というのが欲しかったっていうのは有りますよね。
 
―ちょっと、抽象的な聞き方ですけど、立てられた経営革新の目標に対し、その達成状況はいかがですか。
谷川 恵利氏:達成はしてると思うのですが、ただ今は人材の育成と、事業について世の中に知って頂ける活動をやらなければいけないと思っている段階で、その目標数字はまだまだ途中経過です。 

―目標達成の為の課題というのは、先程おっしゃった人材育成と事業の認知活動ですか。
谷川 恵利氏:そうですね。もう、この二つですね。
 
―その課題をクリアするために、どんな事をされてますか。
谷川 恵利氏:今は「バウワウ・カレッジ」って言って、犬のトレーナーの養成学校をやっています。そこで、着々とトレーナーが育ってきていますので。

―人材って言うのは、トレーナーの事ですか。
谷川 恵利氏:トレーナーですね。トレーナーが核となってお客様のサポートをして行くという事が大事だと思っています。それと認知活動は、見込みの顧客にアピールしていきたいと思っています。

例えば展示会に商品を出展していくという事と、色んなプレゼンテーションをさせて頂ける所で発表していきたいと思っています。また「犬吉猫吉」という雑誌に特番を組んでもらっています。「犬吉猫吉」はペットの飼い主さん向けの雑誌で、九州で一番売れてる雑誌です。「バウワウ」の特集を組んでいます。今後も一年を通して、雑誌とコラボレーションしていくっていう事を予定しています。

―うちの会社は、ここが良い、ここが自慢できる、って何かありますか。
谷川 恵利氏:「安心をお届けできる」ということですね。全てにおいて、体制をお客様に合わせてやってます。例えば、ドッグフードのお肉にしても、指定の牧場・提携している熊本の牧場から仕入れています。野菜も国産で私達が食べる物と同じものをお届けしています。自分達の口に入れても安心して食べられる良い物を使っています。ペット・ホテルにしても、24時間体制で飼育管理をきっちりやらせてもらってますので、そこは全てにおいて安心してご依頼して頂けるものになっています。

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―「安心」を、いかにお客様に見える形にするか、という事ですね。
谷川 恵利氏:そうなんですよ。「安心を、どういう風にお伝えしていくか」というのが、一番の私達のこれからのポイントのひとつだと思います。

「自分達は間違った事をしてはいけません」「どんな事があっても、倫理観のもとに仕事をしなさい。」「自分達の利益の追求をするのではなく、お客様の利益を追求する為に、どんな事があっても嘘の無い仕事をやりなさい」ということを、常に従業員にも言っています。自信を持って仕事をしていれば、色んな問題・トラブルが出てきたとしても、誠心誠意、心を込めて対応していけば、それは必ずクリア出来る事ではなかろうかと思っています。

―ドッグフードに話は戻りますけど、キー・ポイント・プランさんのドッグフード作りの苦労話などあれば、お願いします。
谷川 康夫氏:試作は大変でしたけど、作っちゃ捨て、作っちゃ捨てしてですね。
谷川 恵利氏:そうなんですよ。ドッグフードのお店のオープン前に1000個ぐらい捨てました。開発には1年以上かけています。全く何も分からない所から、県の施設に行って、お勉強をさせてもらって色々教えて頂いたり、フード・コンサルティングをしてらっしゃる方に、食品加工のコンサルタントをされてる方に、お勉強させてもらったり・・。

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谷川 康夫氏:商工会議所の紹介です。そういう形であちこちに行って勉強し、業者さんを訪ね歩きました。ここに至るまでは大変でした。
谷川 恵利氏:経営革新をやってる時は、くじけていた時期だったんです。「なかなか商品化は、難しいかな」と思っていた段階だったんです。そこに至るまでの途中で、経営革新で考えたような形に全くならなかったので。

―経営革新計画が、前へ進むきっかけになったのですか。
谷川 恵利氏:そうですね。経営革新を出すという所で様々なサポートをして頂けたという所もありました。商工会議所の方から紹介して頂いたりもしましたので、そこで人の力をお借りできたかなぁっていう風には思います。

谷川 康夫氏:商工会議所のような組織がなかったら、うちはドッグフードは出来ていませんから。
谷川 恵利氏:ありがたいですよ。フル活用と言ったら、おかしな話ですけれども、フルに相談を受けてもらってます。新しい事業分野って知識が無いので、そこからトライをしていくとなると、いろんなサポートが必要になります。それが無い中で闇雲にやっていると、やはりくじけるんですよね。
モチベーションを上げる為にも、いろんな方のお力を借りるっていう事と、事業計画をひとりで練るのではなくて、いろんなサポートがある中で事業計画を明確化していくというのは、経営革新計画の中で、非常に良いメリットだったと思います。形の無い物を形にする為のきっかけ、大きな役割を果たしてくれたのではなかろうかと思います。それに経営革新承認の太鼓判を押して頂けるので。

私達みたいな本当に小さな会社では、ブレーンはいないんです。大きな会社は新しい事業を起こすといっても、たくさんのブレーンがある。でも私達の様な小さい会社では、ブレーンが無い中でやっていかなくちゃいけない。ブレーンにお金をかけることは、なかなかできないってなると、県や市や商工会議所さんの様な所からお力を頂けるっていうのは、本当にありがたい事だと思います。

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―今後の夢とか、目標とか、どんなことを描かれていらっしゃいますか。
谷川 恵利氏:「ペット産業、ペット業界自体の今までのやり方を変えたい。」というのが一番でしょうね。ペット産業自体が、私達は初めてだったので、ペット業界のルール、業界の慣習やそういうものがたくさん有って。いざ実行する中で、色んな壁にぶち当たりました。
それと、ペット事業に関わる人材が育って、社会的に評価して頂ける様な職業にしたいと思っています。

―という事は、ペットに関しては、オールラウンドで、何にでも取り組まれるということですか。
谷川 恵利氏:そうですね。ペットに関する全てにおいて、サポート出来る体制を築いていきたいなと考えています。それに事業の核となる人材の育成。そうなれば多店舗展開をしていきたいと思っています。それと私達がやっているような事業を評価して頂けること、企業として認知して頂ける事です。
谷川 康夫氏:それに、キー・ポイント・プランの、ペット共生型賃貸マンション事業の自社所有建物を増やしていくという事ですね。現在の3棟といわず、5棟、6棟となると「あー、あそこは、こういう物の専門店だからね」っていう感じにななるのではないかと考えています。

―そうですね。ペット共生マンションにしろ、ペットのお店にしろ、事業やブランドがどんどん認知されていけば、貴社名と、企業、事業内容がつながっていきますからね。
谷川 恵利氏:マンション以外のペット事業は始めて2年なんで、本当にこれからだと思います。
 
【レポーターのコメント】
谷川ご夫妻のお話を聞くと、その事業運営は、ビジネスの基本ルール(原理原則)の流れ
に沿っているかのような気がします。ゼネコンでマンション業界の経験があるご主人が、その経験を活かし、賃貸マンション事業を起業されるときに、「何かに特化しないとやっていけない」との思いから、「核家族化」と「ペットの増加」という市場を背景に、ペットと共に生きるという「共生」をコンセプトとした「ペット共生型賃貸マンション」事業を始められました。
そして、建築屋出身のご主人が、マンション事業を成長させている間に、一緒に事業をな
さっている奥様が、「ペット共生」にさらに付加価値をつけ、「愛犬とのライフスタイルのオール・サポート」をコンセプトにペットとの生活に必要な「ドッグフード」「ドッグトレーニング」「ペットホテル」など愛犬との共生に関連した周辺事業を拡大されています。そして、事業のコア(核)には、人と愛犬との「共生」を取り持つトレーナーの育成を重視されています。
そこには、犬にも、人と同じく、社会で共生するには、マナーが必要との事業思想を感じます。この谷川ご夫妻の事業運営を解釈すると、強み技術(業界経験)の活用→事業(商品)の差別化検討→市場の変化の把握(核家族化、ペット増加)→市場ニーズの発見→事業(商品)のコンセプト化(ペット共生)→事業(商品)の付加価値向上→事業(商品)のコンセプトの拡大(愛犬とのライフスタイルのオール・サポート)→コア・コンピタンス(他社優位の核能力)の認識(犬のトレーニング技術)となります。事業運営は、「勘」や「経験」も時には必要ですが、底流には、やはり、原理原則の考え方を大切にすべきでしょう。それにより、ぶれない経営の維持や、市場の変化への対応も明確になります。

【会社概要】
会社名: (有)Key Point Plan キーポイントプラン
住所 :福岡市中央区輝国2丁目2番12号
TEL:092-525-0999
業務内容 :土地活用の企画から管理までの不動産コンサルタント業・福岡県知事免許(1)第15656号・各部門において、専門家と連携してサポートします。
URL:http://www.keypointplan.com/info.html

レポーター:熊本 保弘(くまもと やすひろ)

中小企業診断士、行政書士(有資格)(MBA)

大手情報機器メーカー及び大手住宅設備メーカーにて、商品企画・開発、業務改革などを経験。「マーケティング」による「ニーズ」把握と「技術開発」による「シーズ」実現の両面を形にしてきた。現在は、製造業、販売業、サービス業の商品戦略、商品開発、マーチャンダイジングなどの支援やセミナー講師、経営相談で中小企業をサポートしている。
(有)Key Point Plan キーポイントプラン

住所:福岡市中央区輝国2丁目2番12号
TEL:092-525-0999
ホームページ:http://www.keypointplan.com/info.html
事業内容:
土地活用の企画から管理までの不動産コンサルタント業
福岡県知事免許(1)第15656号
各部門において、専門家と連携してサポートします。

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