相続の開始
Q.先日、父親が76才で他界しました。父の死亡により相続が発生し、相続人は、母親(70才)、長男・長女・二女(私)の4名です。父は、生前に遺言を書いた形跡もありません。今後の「相続手続き」を進めるには、どのような点に注意したらいいのでしょうか?
A.相続は、人の死亡によって開始します。(民法第882条)そして、相続が開始した場合、まず何から手をつけたらいいのか、何をしなければならないのか、誰が何をどれくらい相続するのか、誰に相談して、手続はどのような手順で進めればいいのかなど、不安に思うことが多いと思います。
相続手続きにおいて、相続人間で揉めるのか、あるいは何事もなく円満に進むかは、それまでの被相続人と相続人達との関係に左右されます。
また、相続における定説と言えばオーバーかもしれませんが、「相続額に満足する相続人はいない」と言われ、相続人が複数いる場合には、「争続(争う相続)」の火種に気をつけながら、相続人間で十分に話し合い、手続を進めなければなりません。
ところで、相続が発生し、葬儀や死亡届の提出が終わってからの、相続手続の具体的な流れは、次のようになります。
相続財産の調査 (不動産、現金・預貯金・株式・有価証券・貴金属類等。負債・借金などのマイナス財産を含むことに注意して下さい。)
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相続人の調査確定
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相続するか否かの選択(相続人による単純承認、限定承認または相続放棄)
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共同相続人全員で遺産(相続財産)の分割方法を話し合う(遺産分割協議)
※法的に有効な遺言があれば、遺言の記載内容に基づく相続。
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必要に応じて相続税を納付
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各種の名義変更手続きや官公庁等への届出・申請
ご質問の場合も、概ね上記の流れに沿って進めて行くことになりますが、それぞれの個々の事情により手続きの方法・進め方が多少異なる場合があります。
本問の場合、法定相続分は、母親が被相続人の配偶者として2分の1、子供3人がそれぞれ6分の1ずつです。(民法第900条)「遺産分割」の手続きが終了するまでは、法定相続分の割合で遺産を共有していることになります。
個々の相続財産の権利者を確定させるためには、「遺産分割」の協議をしなければなりません。協議が調わない場合は、家庭裁判所に遺産分割の請求をすることができます。
また、相続手続には期限が定められているものがあり(相続の放棄や相続税の納付など)、期限内に手続きをしなかったことにより不利益となる場合もあります。
相続手続は、放っておけば誰かが代わりにやってくれるものではありませんし、役所などから期限について連絡もありません。相続人自らが進めていく必要があります。
相続手続は、早めの取り組みが肝心です。時間が経てば当事者も代わり、権利関係も複雑となります。
最後に、相続財産や相続人の調査確定の作業に関しては、戸籍の収集や不動産の登記簿のチェック、不動産の価値の把握など、専門的な知識を要する場合もありますので、正確かつスムーズに相続財産の把握、相続人の確定の作業を進めたい方は、専門家に相談されることをお勧めいたします。
江島義昭(えじま よしあき)
司法書士
1960年佐賀県生まれ。1983年西南学院大学法学部卒業。1985年司法書士登録。同年、江島義昭司法書士事務所を設立。簡易裁判所管轄に関する訴訟業務、不動産登記(売買・相続・贈与・交換・民事信託等)業務全般、動産・債権譲渡登記業務(ABL)のほか、商業登記手続きを中心とした企業法務分野に積極的に取り組み、会社設立・増減資・種類株式・新株予約権・企業再編(合併・分割・株式移転交換など)・株式公開実務などを専門分野としている。また、各専門士業との連携による相続対策及び事業承継対策などにも力をいれている。一般向けの法律に関する研修会・経営者セミナーの講師等や登記業務に関する専門書籍の執筆も多数。独立行政法人・中小企業基盤整備機構:アドバイザー
日本司法書士会連合会・企業法務推進対策部委員
江島・猪之鼻司法書士事務所ホームページ:http://www.ejima-office.com/















