労働基準法の改正2(代替休暇について)
Q.当社は、県内各地に4施設の有料老人ホームを運営している会社ですが、職員は各施設それぞれ40名、30名、50名、60名、会社全体で180名が在籍しており、資本金は6000万円です。所定労働時間は1日8時間、1週40時間、休日は交替制ですが週休2日制です。ただ、1ヵ月60時間を超える法定時間外労働をせざるをえない月が年間4~5ヶ月あります。
今回の労働基準法改正で、1ヵ月60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合有給の休暇を付与する制度が創設されたと聞きましたが、その件について詳しく教えてください。
A.今回の労働基準法改正では、1ヶ月につき60時間を超える法定時間外労働に対しては法定割増賃金率を5割増以上に引き上げることとされておりますが、このような特に長い時間外労働をさせた労働者に対してその健康を保持するため休息を与えることを目的として、労使協定の締結を条件として、60時間超の時間外労働に対する法定割増賃金率の引き上げ分の支払に代えて年次有給休暇とは別の有給の休暇(代替休暇といいます)を与えることができることとされました。
この措置は今回の改正が適用される一定の規模以上の企業のみが対象になりますが、御社はサービス業(介護事業)で、職員数180名(企業全体でカウントします)、資本金6000万円ということですから、この措置をとりうる企業ということになります。
ただし、この制度を導入するには労使協定の締結が前提となっており、この労使協定には
定めておく必要があります。
なお、この労使協定が締結されてもこの代替休暇を取得するのは労働者の自由であり、また、この制度を取り入れる場合には就業規則に記載しておく必要があります。
では、労使協定の締結事項(上記1~5)の具体的内容について解説しましょう。
代替休暇の時間数=(1ヶ月の法定時間外労働時間数―60)×換算率(注)
換算率=(代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととなる割増賃金率)
-(代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率)
たとえば、御社の割増賃金率を法定どおり(月60時間までの時間外労働の割増賃金率を2割5分、月60時間超えの場合5割)とし、月60時間を超える時間外労働に対して代替休暇を与えた場合の割増賃金率を2割5分としている場合の換算率は、0.5-0.25=0.25となります。
仮に月80時間の時間外労働を行った場合、
代替休暇の時間数=(80時間―60時間)×0.25=5時間
いうことになります。
この場合、労使協定で1ヵ月を超える期間が定められている場合には、半日又は1日単位になるまで待ってまとめて代替休暇を取得することができます。
労働者に代替休暇取得の意向がある場合には、支払義務がある割増賃金(2割5分増以上)については、当該賃金計算期間にかかる支払日に支払い、実際に意向がありながら代替休暇を取得できなかった場合にも割増賃金(2割5分増以上)の支払いを免れることはできず、直後の賃金計算期間にかかる賃金支払日に支払う必要があります。
この措置は今回の改正が適用される一定の規模以上の企業のみが対象になりますが、御社はサービス業(介護事業)で、職員数180名(企業全体でカウントします)、資本金6000万円ということですから、この措置をとりうる企業ということになります。
ただし、この制度を導入するには労使協定の締結が前提となっており、この労使協定には
- 代替休暇の時間数の具体的な算定方法
- 代替休暇の単位
- 代替休暇を与えることができる期間
- 代替休暇の取得日の決定方法
- 割増賃金の支払日について
定めておく必要があります。
なお、この労使協定が締結されてもこの代替休暇を取得するのは労働者の自由であり、また、この制度を取り入れる場合には就業規則に記載しておく必要があります。
では、労使協定の締結事項(上記1~5)の具体的内容について解説しましょう。
1.代替休暇の時間数の算定方法について
次のような算定方法になります。代替休暇の時間数=(1ヶ月の法定時間外労働時間数―60)×換算率(注)
換算率=(代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととなる割増賃金率)
-(代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率)
たとえば、御社の割増賃金率を法定どおり(月60時間までの時間外労働の割増賃金率を2割5分、月60時間超えの場合5割)とし、月60時間を超える時間外労働に対して代替休暇を与えた場合の割増賃金率を2割5分としている場合の換算率は、0.5-0.25=0.25となります。
仮に月80時間の時間外労働を行った場合、
代替休暇の時間数=(80時間―60時間)×0.25=5時間
いうことになります。
2.代替休暇の単位について
代替休暇は労働者に休息の機会を与える目的があることから、1日又は半日単位とされており、労使協定ではその一方又は両方を単位として定めます。半日の単位を何時間とするかも労使協定で決めておきますが、御社の場合は所定労働時間が8時間ですので4時間を半日単位として差し支えないでしょう。3.代替休暇を与えることができる期間について
代替休暇は休息の機会の確保が目的であり、長時間労働した月に近接した期間内に与える必要があります。すなわち、60時間を超える時間外労働をさせた当該月の末日の翌月から2ヵ月以内の期間内で与える必要があります。この場合、労使協定で1ヵ月を超える期間が定められている場合には、半日又は1日単位になるまで待ってまとめて代替休暇を取得することができます。
4.代替休暇の取得日の決定方法について
代替休暇の取得に関しては、「労働者の意思」によるものであり、代替休暇日もその意向を踏まえて決定されることになりますが、割増賃金を早期に支払うようにするため、当該時間外労働をさせた1ヵ月の末日からできるだけ早い時期に確認しておきましょう。可能ならば10日以内ぐらいと考えられますが具体的には労使協定に定めておく必要があります。5.割増賃金の支払日について
労働者に代替休暇取得の意思がない場合には、割増賃金引き上げ分も含めた割増賃金(5割増以上の分)について、当該賃金計算期間にかかる賃金支払日に支払うことになります。労働者に代替休暇取得の意向がある場合には、支払義務がある割増賃金(2割5分増以上)については、当該賃金計算期間にかかる支払日に支払い、実際に意向がありながら代替休暇を取得できなかった場合にも割増賃金(2割5分増以上)の支払いを免れることはできず、直後の賃金計算期間にかかる賃金支払日に支払う必要があります。















