問題社員への企業の取り組み方
社は、不動産仲介業務を営んでいる会社で、従業員が30名ほどおります。そのうち、管理部門の従業員が6名、仲介部門の従業員が7名、残りが営業部門の従業員です。実はこの営業部門の従業員が入社2年目にして徐々に自分勝手で自己中心的な行動が目立ち始め、他の従業員に暴言を吐いたり、始業時刻に大幅に遅刻してくる等の職場の雰囲気を乱す行動、協調性のない行動をとっては皆を困らせております。他の従業員からは何とか対処をしてもらいたい旨の要求が上がっております。当社としては如何に対処すべきでしょうか。
ご相談のように、いわゆる「問題社員」は近年多く見受けられるようになってきました。会社にさんざん迷惑をかけた挙句、自分の権利のみを主張したり、自分以外の他人に関心を示そうともせず、かかわられることを嫌うなどといった社員が散見されるようになって相談を受けることがたまにあります。かねがね若い社員に多く、社会人としてのあり方や考え方といった社会人像の捉え方が若手社員を中心に急激に変わってきていることも考えると社員教育そのもののあり方も、本来は家庭生活で行うべき内容も考慮していかなければならないのかもしれません。
こういった社員が多くなる背景には様々な原因が考えられています。コンピューターを中心としたネット社会の影響で他人とかかわりが薄くなっているとか、少子化の影響で家庭内で甘やかされて育てられてきたからだとか言われていますが、こういった社会現象に加え、職業観の変質等が絡み合ってきたことによると考えられます。
こういう「問題社員」は露見する「問題行動」を分析してみると、パターン化できるものですが、一般的には、トラブルを起こす男女ともにあまりに自分に甘く、社会人としての適性に欠けています。終始一貫して自分本位で周りの状況が読めず、しかも悪びれず迷惑をかけているという実感がなく、大人としての自覚に乏しいということです。
「問題社員」のパターン化ですが、いくつかに分類できます。
まず1つ目は、自分が好きで他人に興味がなく、能力不足で仕事が出来ないことや自分の気に入らないことについてはまわりが悪いからと責任を取らずに回避してしまうタイプ。
2つ目は親や親戚に依存しすぎており何かコトがあるとすぐに親などが登場するタイプ。
3つ目は、仕事を命じると面倒な手間のかかる仕事から逃避したり先延ばしにしたり、ワークライフバランスを盾にとり私生活を優先させようとするタイプ。仕事に対する意欲、好奇心に乏しくマニュアル通りの仕事しか出来ないタイプなどです。
御社の社員は1つ目のタイプのようですが、他にもいろいろな要素が絡み合っているものと思われます。いずれにしろ、入社して2年目に入って「問題社員」的行動が露見してきたということなので、入社以来どこかの時点で「きっかけとなるできごと」があると思われますので、その原因を突き止める必要があります。いま一度、当の従業員と面談をし(面談をする人数は複数のほうが良い)、本人の言い分もしっかり聞きましょう。きちんとコミュニケーションをとり、仮に会社側にも問題があれば改めるようにしましょう。
「問題社員」は往々にして個人の特性のみならず、社内の体質というか、企業風土にも原因がある場合があります。それでは企業側のとるべき対応策として重要な事柄を挙げておきます。
まず、コンプライアンス(法令遵守)経営を徹底することです。御社には30名の従業員がおられますから、就業規則は整備されていることと思いますが、現在の法令に適合したアップツウデイトなものになっているかどうか、従業員が遵守すべき事項(服務規律等)がきちんと詳細に規定されているかどうかをもう一度点検しましょう。そしてその上で、従業員に周知されているか、労働者代表の選出は恣意的になっていないか、規則の運用がきちんとされているか等が重要です。
次に、労働環境(職場の雰囲気)の改善も重要です。セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントは行われていないか、上司の教育、管理方法や言葉遣いはきちんとなされているか等です。
さらに、企業規模を問わず意外と重要なのが、社員教育システムの整備と人事評価基準の明確化と文書主義の徹底です。社員教育においては、無駄のない必要なものであるか、対象となる従業員は全員平等に教育されているか、恣意的な差別や区別はないか等に注意しましょう。
また、評価基準についても評価項目が明確でわかりやすく、しかも従業員にオープンになっていること、項目そのものに会社側としてきちんと説明がつくかどうかも考慮しましょう。徹底した文書主義を貫くことも重要です。
労務トラブル等に発展した場合、文書やメモ、契約書等は重要な証拠書類となります。きちんと指導したか、何度も注意したか、始末書は取っているか等根拠を残すために文書でやり取りをし、それを残しておくことが大切です。この3項目についても「ウチみたいな小さな会社は」というようなことは通用しないと考えましょう。















