税務Q&A

口蹄疫感染被害

Q.宮崎県における口蹄疫感染被害が深刻な社会問題になっていますが、これに関連する税務上の優遇措置などはありますか。

A.口蹄疫感染被害に遭われた畜産農家については、税務上において納税の猶予や申告などの期限の延長等が適用できます。また、宮崎県口蹄疫被害義援金を通じて、これら畜産農家を支援した個人や法人についても一定の優遇措置が設けられています。

納税の猶予・申告期限延長等

口蹄疫感染被害に遭われたときには、以下のような優遇措置を受けることができます。

納税の猶予

口蹄疫感染被害により相当の損失を受け、納付期限までに納税できない場合には、所轄税務署長に申請することにより、次のとおり納税の猶予を受けることができます。

損失を受けた日に納期限が到来していない国税

損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税
納期限から1年以内に納税
所得税の予定納税や法人税・消費税の中間申告分
確定申告書の提出期限までに納税

既に納期限の到来している国税

一時に納付することができないと認められる国税
原則として1年以内に納税

申告などの期限の延長

口蹄疫感染被害により、申告、納付などをその期限までにできないと認められるときは、その理由のやんだ日から2ヶ月以内の範囲で、その期限が延長されます。

所轄の税務署長に申告、納付などの期限の延長を申請し、その承認を受けることになります。

予定納税の減額

所得税の予定納税をされる方が、口蹄疫感染被害により損失を受けたときは、減額申請をすることで予定納税額の軽減免除を受けることができます。

6月30日の現況によって見積もった平成22年分の所得税の額が予定納税基準額に満たないときは、原則として、7月15日までに予定納税の減額申請をし、その承認を受けることができます。

納税証明書の手数料について

口蹄疫感染被害の復旧に必要な資金の借入れを受けるための納税証明書の手数料については、無料になる場合があります。

宮崎県口蹄疫被害義援金を支払った場合

地方公共団体に対する寄附金に該当しますので、当該義援金を支出した場合には次のような税制上の優遇措置があります。

個人の方が支払った場合

  1. 特定寄附金として寄附金控除(所得控除)の対象となります。ただし、特定寄附金の額の合計額は合計所得金額の40%相当額が限度です。平成22年分の所得税から、寄附金控除の適用下限額が2千円(改正前:5千円)に引き下げられています。この適用を受けるためには、確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載するとともに、確定申告書の提出の際に義援金の領収書を添付又は提示する必要があります。
  2. ふるさと納税制度 総務省より宮崎県口蹄疫被害義援金について、寄付した人の個人住民税などを軽減する「ふるさと納税」に該当するとの見解が示されました。寄付した人は税務署などに申告すれば、ふるさと納税の優遇税制を受けられることになります。ふるさと納税は、出身地以外でも応援したい地方自治体に5千円を超える寄付をすると、その超える部分について、個人住民税所得割額の1割を限度として、所得税と合わせて控除されます。現在の居住地に納めている個人住民税や所得税が軽減される仕組みです。

法人が支払った場合

その支払額の全額が損金算入の対象となります。この適用を受けるためには、確定申告書に義援金の金額を記載し、寄附金の明細書を添付するとともに義援金の領収書を保存する必要があります。

山口 淳一(やまぐち じゅんいち)

税理士・CFP®認定者

1967年生まれ。大学卒業後、某税理士受験校の専任講師として財務諸表論、法人税法及び消費税法の教鞭をとる。税理士事務所に勤務の後、平成15年9月に税理士法人YCAを設立し、代表社員に就任する。その後、事業承継や企業再生等の支援を事業目的とする(株)福岡企業統治コンサルティングの代表取締役に就任する。M&Aを含む企業組織再編や相続対策及び事業承継などを得意とし、企業統治の支援業務等を積極的に行っている。

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